しんめいPの『限界費用ゼロ社会』鬼解説に参加しました!【地域2.0】

 

しんめいP 鬼解説のファンの1人

かざり(@kazali0617)です。

 

8/11に頴娃町 ふたつや、で【おこそコラボ】頴娃からはじまる地域2.0 〜『限界費用ゼロ社会』から読み解く次の社会〜が開催されました!

 

しんめいPの鬼解説に参加するのは、2回め!

前回は3/15に鹿児島市 天文館のユナはんで開催されました。

 

あれから5か月。久しぶりのしんめいPの鬼解説です。

(しんめいPのPは、プロデューサーのP)

 

前回は「人生100年時代に突入するよ。どう生きようか?」について書かれた『LIFE SHIFT』

8月の今回は「遠くない未来、資本主義が終わるぞ」ということを書いた『限界費用ゼロ社会』です。

 

当日はしんめいPが解説した内容から、今考えていること。

最後には、僕たちはどんな地域を作る?ではなく、どんな社会を作る?という問いへ発展しました。

ふたつや、にいる全員でのアツいディスカッション。

4時間の記録をここに残します。

 

キーワードは、ポスト資本主義

資本主義が終わった先にくる次の社会は?

その中でわたし達はどんな社会を望むのか?

 

わたしが参加した理由

初耳だったんですけど、限界費用って経済学の言葉らしいですね。

限界費用ゼロ社会。前回の『LIFE SHIFT』同様、未読で参加しました。

 

限界費用という初めて聞く言葉に、ゼロ社会とついてる時点で「ああ、絶対難しいやつだ」と狼狽えていましたが、

本を数百冊読んできた中で【地域のプレイヤーが最も読むべき本】と思っている」としんめいPがFacebookに投稿していたので、これは参加決定だなと。

個人的には、佐多ライフでのヒントみたいなものを得られたらという期待もありました。

 

会場のようす

はじめは頴娃町 塩や、で開催とのことでしたが、ふたつや、に変更。

 

川辺の佐藤 孝洋(こうよう)さんが作った暖簾がかかっていました。かわいい。

ふたつや、の文字はシルクスクリーンです。

 

暖簾をくぐり扉を開けると、黄色のTシャツさん(しんめいP)が出迎えてくれました。

しんめいPのテーマカラーは黄色。

元々黄色が好きだったことと、ちょっと怪しい色だからということで使っているらしい。

 

枕崎や桜島など県内各地、遠くは大阪、熊本などから参加者が集まり、会場のふたつや、はギュウギュウに。

NPO法人 頴娃おこそ会のメンバーの方もいらしてました。

 

クラさんのあいさつからスタート

主催のクラさんのあいさつから始まりました。

(逆光とクラさんのSUP焼けで真っ黒になってしまった)

 

しんめいPの自己紹介

続いては、しんめいPの自己紹介。

全体的に黄色です。

 

170人会議ぶりにバナナを使った出身地紹介が見れて、嬉しかった。

 

しんめいさんとは?

大阪府出身。東京大学法学部卒業後、DeNAにて海外向けゲームプロデューサーとして東京・サンフランシスコ・シンガポールにて勤務。2016年に教育の道を志し、同社を退職して長島町に移住。行政職員の立場で、カドカワ株式会社が手がけるインターネットの学校「N高等学校」と提携した「長島大陸Nセンター」を設立し、高校生向けの地域で学ぶプロジェクト学習プログラムの立ち上げ、運営を行う。

引用:しんめいさんのFacebookより

 

参加者の自己紹介

しんめいPの自己紹介の次は、参加者の自己紹介です。

1人1分ほどで名前、普段何をしているか、今日参加した理由について。

少しだけ紹介します。

 

枕崎から参加した中原水産の中原さん。

自社のかつおせんべいを差し入れてくれました。

大学1年の時にインターンでのつながりから知ったかつおせんべい。

めっちゃうまいですよ。風味がいい。

会場で1番食べた気がする。

 

佐多でふたり暮らし中の彼も参加。

佐多から運転してもらいました。

 

頴娃おこそ会所属で、南薩エリアをあつくゆるく紹介するサイト EIGOエイゴー 編集長のチャコさんも参加。

サイトのロゴが入ったTシャツを着てました。さすが。

 

頴娃おこそ会のメンバーの皆さんや桜島で校長先生をしている方、高校の先生や主婦など。

高校生や大学生もいて、老若男女幅広い方々が集まってました。

 

『限界費用ゼロ社会』鬼解説スタート

会場全体があたたまったところで、しんめいPの鬼解説スタート。

EIGO編集長が速攻シャッターをきってました。

 

企画について話す中で、「今日は毒を盛りにきました」としんめいP。

あえて毒を盛ることで、免疫細胞が生まれて抗体を作るって大事ですよね。

でもこれは頴娃だからできることです、と。

 

岡山県 西粟倉村について

本の内容に入る前に、西粟倉村(にしあわくら)の話題に。

実際に西粟倉へ視察に行ったしんめいさんの視点から、百年の森林構想やローカルベンチャーについて解説。

 

衝撃的だったのが、ローカルベンチャー売り上げ15億。人口1500人の村が次はICO、仮想通貨を取り入れるよ。という内容。

仮想通貨はVALUで触ったことあったけど1つの村が取り入れるとは、知らなかった。

 

しんめいP 「ヴィジョンを掲げて行動する地域。これって地域2.0だと思うんです」

 

『限界費用ゼロ社会』の内容へ

『限界費用ゼロ社会』は2015年発行。作者は、ジェレミー・リフキンさん。

ドイツ首相のブレーンの役割を担っている、知識人。

著者紹介には、文明評論家と書かれていました。

世界的ベストセラーだけど、日本ではあまり読まれていないらしい。

 

しんめいP 「僕はこの本の書き出しが、すごくすきなんですよね」

資本主義は今、後継ぎを生み出しつつある。

 

つまり、「資本主義が終わりますよ」ということ。

とはいえ、資本主義が終わるって言われてもピンと来ないですよね。

資本主義が終わる。

これって、わたし達にどう関係があるんでしょう?

 

しんめいPの違和感

しんめいPの鬼解説のおもしろい理由の1つが視点。

都市部から鹿児島へ移住したしんめいP自身のこれまでの経験や考えたことを例に解説を進めてくれるので、自分事として捉えやすい。

自分事として捉えると、記憶に残りやすく自分の人生に活かしやすくなる。

だからわたしは、しんめいPの鬼解説のファンになりました。

 

しんめいPは長島の元地域おこし協力隊。

東京から鹿児島へIターンし、地域おこし協力隊として活動をする中で国が掲げる地方創生に違和感を抱くように。

人口を増やすことや産業振興は本当に地方にとって必要なこと?

そもそも、地方という言葉に対して中央があって地方があるみたいな表現が微妙と思ってたらしい。

最高ですね。

 

資本主義はなぜ終わる?

資本主義は絶好調が故に崩壊するということをジャガイモの生産性が向上しまくったらどうなる?という例えで解説してくれました。

トラクターがめっちゃ暴れてた。

資本主義は生産性が上がりすぎて利益ゼロになっておわるーーらしいです。

 

資本主義が終わる。でもそれっていつぐらいの話し?

本では、2050年ごろに本格的に移行すると書かれています。

 

さまざまなモノが「タダ」になっていく

生産性が上がりまくった結果、さまざまなものがタダになっていきます。

現在日本国内では火力発電が多くを占めるエネルギーですが、2040年までに太陽光によってタダに。

(3Dプリンタで太陽光パネルを作れる技術も確立されつつある)

 

あらゆるモノは、IoTによって生産性が上がりまくってタダに。

3Dプリンタの登場でコストが下がり、買うから作るの時代へ。つまりタダ。

(材料費とかはかかるけどね)

あらゆる要因で、あらゆるモノがタダになる。

 

そしてサービスもタダに。

音楽はCDを買わなくてもYouTubeで聴けるし、スタディサプリでは月額¥980で学び放題。

しんめいPが長島で立ち上げに関わったN校では、年間10万で高校卒業資格が取れるらしいです。

 

生産性が上がりまくった世界では価格が下がりまくる。

あれ?そうなるとみんな失業じゃない?

でも、ぜんぶタダだから別に困らない?

ぜんぶタダで、みんな失業。

資本主義は終焉を迎えます。

じゃあ、次はどうなるの?

 

資本主義の次の社会

『限界費用ゼロ社会』によると、資本主義が終わった先には共有型経済(シェアリングエコノミー)が訪れるらしい。

2018年現在は絶好調な資本主義ですが、シェアエコの波は徐々に訪れ2050年までには資本主義より大きくなっている予想です。

 

シェアリングエコノミー。

家をシェアするairbnb、車をシェアするUBER、モノをシェアするメルカリ。

参加者からは「捉え方によっては銭湯もお風呂のシェアですよね」という声があがりました。

 

資本経済が終わってシェアエコが来るって言われてもピンとこないけど、よくよく考えてみるとすでにわたし達の生活に入ってきてますよね。

なんだか資本主義が終わる気がしてきたぞ。

 

シェアエコは加速する?

さまざまなモノゴトをシェアする文化。

先導しているのは、若者です。俗にいうミレニアル世代。

しんめいPもわたしも、世代として当てはまります。

 

我々ミレニアル世代の特徴として度々語られるのが、物欲がない。

これって日本だけかと思っていましたが、世界的傾向らしいです。

マイホームいらない、車いらない。

持ちすぎた体では重すぎるから。

我々は所有に大きな興味はなく、どちらかというとアクセスに心惹かれる。

所有からアクセスへ。

 

シェアの文化を持つ我々若者が社会の中心になっていくと、シェアエコの広がりはますます加速すると考えられます。

 

キーワードは「シェア」

シェアの解説として、秋田県 五城目町(ごじょうめまち)のシェアビレッジの例が出てきました。

五城目町では、1人3000円の年貢を納めると村民になることができるらしい。

納められた年貢は町長が町の運営に当てるとのこと。

モノだけでなく、とうとう町のシェアまで現れました。

 

ここで西粟倉村のICOの話しに少しだけ戻ります。

仮想通貨を発行して資金調達。

一見すると、はちゃめちゃなことをやっているように見えますが、歴史はくりかえす。

実は日本は昔、似たようなことをやっていました。

 

徳川家康の時代、県ではなくまだ藩の時代ですね。

当時、藩札(はんさつ)という藩の中で出回っている通貨がありました。

 

藩の中。表現を変えると、ある一定のエリアで使われている通貨。

あれ?これって西粟倉村のICOと似てるんじゃない?

 

自律分散型の社会へ

国という大きなくくりから、日本国内の各エリア独自の取り組みへ。

社会はこれまでの中央集権から、自律分散型へ移行しようとしています。

 

お金は、手数が多い申請が必要な補助金や助成金からICOなどの独自通貨へ。

エネルギーは、太陽光エネルギーで場所を選ばず作れるように。

デンマーク ロラン島では個人が作ったエネルギーを国が買う現象も起きているとか。

情報は、ネットにアクセスするだけで手に入れられる時代になりましたよね。

 

自律分散型社会は地域の独立を促します。

となると、今後は社会のあり方を先導できる地域がこれまで以上に注目されるように。

 

しんめいP 地域がアップデートされる、地域2.0です

 

僕たちは、どんな社会を作る?

地域は変わる、社会は変わる。

じゃあ、僕たちはどんな社会を望むのか?

それはどうやって作るのか?

 

ダイナミックラボに、グッドネイバーズジャンボリーに、頴娃おこそ会という技術、思想、実行力が揃っている南薩地域。

どんな地域を作る?ではなく、どんな社会を作る?

 

あえて毒を盛りにきたしんめいP。

鬼解説が終わったところで、会場に大きな問いが投げられました。

 

しんめいP+4人でパネルディスカッション

鬼解説後は、パネルディスカッションへ。

主催のクラさんが選んだ4人+しんめいPを中心に議論が交わされました。

 

選ばれた4人はこんな方々。

鹿児島大学を休学中の大学生
現在は熊本 阿蘇で活動し起業準備中

3Dプリンタを操る高校生
マイクラで1/1スケールの軍艦島を作成
Twitterのフォロワー2000人以上

頴娃おこそ会 さいとうさん
再生エネルギーに関わっている
頴娃 町づくりのプレイヤー

中原水産 中原さん
3代目経営者。枕崎でかつおぶしを使ったブランド作りをしている

 

この時間がアツかった!

 

「当事者はとても大変。十中八九成功しないから」

「今までは東京じゃないとできないことがたくさんあるって思ってたけど、今は地方に住んでてもなんでもできる時代になってきている」

「頴娃という字は昔は誰も読めなかったけど、今はテレビに出たりと少しずつ変わってきている」

「とはいえ、頴娃おこそ会を知っている地元の人はそんなに多くない」

「地域がうまくいかない要因の1つの現状維持でいいじゃん!って空気の話しだから」

「これまでは東京で稼ぐことが攻めだったけど、今は守りという感覚に変わってきている。反対に東京で稼いだお金を使って地域でやりたいことをするのが攻めという感覚に」

「人はそれぞれ昔は自分でモノを作りながら暮らしていたはず」

「東京でできないことを母数が少ないところで局所的におもしろくやっていく」

 

ここで取り上げきれないほど本当にアツいディスカッションが飛び交ってました。

ただでさえしんめいPの鬼解説で頭がパンパンなところにどんどん情報が入ってきて、ショート寸前でした。

 

参加者の声と感想

所属も年齢も異なる20名が集まった、今回の鬼解説。

参加者同様、感想や意見もさまざまでした。

 

「資本主義が終わっても農家さんと消費者の関係は変わらない部分もあると思う」

「デフレが起こったとき、経営者としてどうしたらいいのか」

「どうでもいいものは安く買うけど、こだわりがあるものは値段が高くても買う。そのための経済力は必要」

「今後のことを考えると暗いなあと思った」

「情報量がいっぱいだった」

 

「東京に行きたいという気持ちが、ここでいいじゃんと思うようになった」

「東京VS地方という対立が生まれる中で、自分は何をしていくか」

「自分のばあちゃん家を活用して、楽しい場にしようと思ってる」

「出水で動き出しているグループがいる」

「収入は住んでいる場所で変わる。必ずしも本人の能力だけの問題ではない」

「リーマンショックの前後で価値観が変わってきている」

 

年齢や所属の違いを盾にすることなく、白熱したディスカッションはノンストップで1時間半続き

【おこそコラボ】頴娃からはじまる地域2.0 〜『限界費用ゼロ社会』から読み解く次の社会〜は18:00に終了。

16:00には移動する予定だった頴娃おこそ会のおじちゃんが、最後まで残っていたのがこの日の楽しさを物語っていました。

 

参加してみて

前回の『LIFE SHIFT』鬼解説が楽しかったので、今回も楽しいのはわかってました。

わかってたけど想像以上だった。頭から煙が出るかと思った。

 

想像以上だった理由はしんめいPの思考力とまとめ力と準備がすごいから。

そして、会場が頴娃だったから。

終わった後にしんめいPが「正直、資本主義が終わるって話しをしてもみんなポカーんって感じかなと思ったけど、ぜんぜんそんなことなかった」

「依頼されたら他の地域でもするけど、今日みたいな雰囲気になったのは頴娃だからだと思う」と言ってたのが印象的でした。

 

個人的に嬉しかったこと

会の内容以外で個人的に嬉しかったのは、頴娃おこそ会のメンバーに会えたこと。

学生時代から頴娃にお世話になる中で、会う機会があったおこそ会のメンバーは移住者の方々だけでした。

加藤潤さんが埼玉から移住する数十年前から存在するNPO法人 頴娃おこそ会。

移住者じゃないメンバーってどんな人なんだろうと気になっていたので、お顔を拝めてすごくよかった。

 

お話しはできなかったけど、頴娃に遊びに行く中できっとまた会えるから大丈夫。

自分たちの手で楽しいことを作っている人の顔ってあんなに凛々しく、頼りがいがあるって知らなかったなあ。

 

さいごに

今回ブログを書くにあたって潤さんから「おこそ会公式の記事ってことにしていいから」とありがたい言葉を頂いたので書いときます。

本記事は、頴娃おこそ会の公式記事です。

(書いちゃった。大丈夫かな)

 

当日参加できなかった方に会場の雰囲気が伝わるように書きました。

しんめいPはいつも黄色の服を着ているので、写真栄えが非常によくありがたいです。

 

『限界費用ゼロ社会』の内容については、しんめいPの鬼解説を聞いたわたしが理解した内容の範囲だけで書いています。

しんめいPの表現と違うところもあると思います。ご了承ください。

 

しんめいPの鬼解説を生で聞きたいという方は、直接ご依頼ください。

Facebookかtwitterから依頼すれば応えてくれると思います。

ご依頼の際は謝礼とともに、おいしいチョコレートを添えると大変お喜びになると思います。

 

資本主義が終わる。

難しそうと距離を置くことは思考停止のはじまりだなと感じました。

鬼解説、また別の本で聞けることを期待して。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。