自宅にダイニングセットを導入してから、それまでの床生活と比べ、段違いに本が読みやすくなりました。

元々本を読むのは好きだけど、集中できる時とできない時の差が激しくて。

集中する時はまるで映画館で物語に夢中になるように、一気に読んでしまえるのだけど、

そうではない時は同じ行を何度も繰り返してしまったり、心ここにあらずで読み進めてしまって前のページに戻ったりしてしまいます。

ダイニングのソファに座ると、環境がいいのかいつもより集中できるようで、最近は『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』を読み終えました。

 

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そして昨日は、『鬼滅の刃 風の道しるべ』を読了。

こちらは漫画ではなく、ジャンプブックスと呼ばれる小説です。

 

週刊少年ジャンプで連載されている作品の中で、特に人気漫画になると小説版も刊行されるみたい。

鬼滅の刃の小説はこれまでに3冊出版されています。もちろん1、2冊目も読みました。

ジャンプブックスの良いところは、単純に漫画を小説に書き換えているのではなく、小説ならではのストーリーを楽しめるところです。

例えば、今回読んだ『鬼滅の刃 風の道しるべ』の場合は、風柱 不死川実弥の過去(漫画にちょっとだけ出てくるけど、濃さが全然違う)や、蝶屋敷の面々と伊之助のとある日の出来事などが収録されています。

さらに漫画版では見ることのできない挿絵も入っていて、まさにファン必見。

物語にハマっていればハマっているほど楽しめるのが、ジャンプブックスの良いところ。

文章も長々としたものではなく、ライトノベルのような読みやすさなので、小説は苦手……という人も案外スラスラ読めると思います。

 

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わたしがジャンプブックスという存在を知ったのは、高校生の時。

あの頃の週刊少年ジャンプは、ONE PIECE、NARUTO、BLEACH、銀魂と人気作品が目白押しで、

その中で特にハマっていたのがBLEACH。

当時はとにかくBLEACHが大好きで、百均で売っているようなプラスチックファイルに、切り抜いた日番谷冬獅郎や平子真子を挟んで下敷きとして使っていました。

「推しといつでも一緒」という感じで、実際、授業中に自作した下敷きを見つめては、大好きなキャラ達から何かしらのパワーをもらっていました。

好きすぎて、高校2年生の時のオーストラリアホームステイで、スーパーの本屋さんで英語版のBLEACHを買ったほど(今も好き。アニメ楽しみ)

 

好きな漫画は単行本で集める派なので、BLEACHも新刊が出る度に本屋さんへ。

そしてある日気づいちゃったんですよね……見慣れない表紙に。

絵はBLEACHだけど、漫画とテイストが違う。「なんだこれ?」と手に取ると、なんと小説!

しかも漫画を小説にしたわけではなく、小説版オリジナルのストーリーとな!

 

「えらいこっちゃ!」と意気揚々とカゴに入れ、自宅に連れ帰り、貪るように読みました。

BLEACHは魅力的で個性的なキャラクターがたくさんいて、とある巻では主人公の黒崎一護が1度も出てこないほどキャラが豊富なのですが、

そんないわゆる脇役たち(というには本当に魅力的すぎるのだけど)が小説の中だと主人公になってたりするんですよね。だからハマる。

小説で得たキャラクターの魅力が、漫画を読んでいる時にも思い出されて、さらにハマる。

ジャンプコミックスとジャンプブックスのループは、読者を幸せな沼に沈めますよ……。

 

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そんな楽しみ方をしていた高校時代を卒業し、数年後、似たような体験をしました。

それは新海誠監督の「言の葉の庭」という作品で。

言の葉の庭は「君の名は。」の前に公開された映画で、鹿児島の映画館では確かシネマパラダイスでしか上映されなかったんじゃないかな。

まだ世の中が新海誠の存在に気付いてない時期の作品です(古参ぶりたい)

わたしはハナから「鹿児島では上映されないだろ〜」と決めつけていたので、シネマパラダイスでの上映を見逃し、DVDを予約注文。

自宅でひっそりと、新宿御苑に響く雨音と花澤香菜の音声を楽しみました。

そして何がきっかけだったかは忘れたけれど、DVDの購入からしばらくして、言の葉の庭の小説が販売されるという情報をゲット。こちらも早速注文。

読み進めて1番印象的だったのが、映画の中では嫌な感じだった女性の先輩のとある背景が描かれていて「その状況だったら、映画でのあの振る舞いは仕方ないかもしれない」と思えて、映画だけを見た時の印象とガラッと変わってしまいました。

「この女最悪だな」と思っていたのが、小説を読んだことで

「ちょっと共感できるかもしれない」にまで変わったって、体験としてかなり違いますよね。

 

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大人になってからも色々な作品に心を持っていかれていて、それは学生時代から積み上げてきた「楽しみ方の幅広さのおかげ」だなと感じています。

高校時代にBLEACHにハマった経験があるからこそジャンプブックスを読めて、数年後に言の葉の庭の映画を見て、小説も読めた。

さらに数年後、今は鬼滅の刃を楽しめている。

 

多分これからも面白い作品と出会う度に、これまで培ってきた自分なりの楽しみ方を駆使して、さらにさらにハマっていくのだと思います。

(漫画・アニメ以外だと今は、JO1にハマりそう)

人生は好きなものが多いほど楽しめると思っていて、そういう意味で自分の人生って案外いいものだな〜と感じています。