佐多に移住し、空き家だった家で暮らしている
かざり(@kazali0617)です。
9/4に鹿児島市役所 西別館ロビーで開催されたガチで取り組む空き家再生研修会に参加しました!
全国共通の社会課題である、空き家問題。
6月に鹿児島市から佐多へ移住後、ほぼ毎日空き家を目にしています。
今にも壊れそうな傾いた家、片付けたら住めそうな家、皆さんが暮らしている近くにもさまざまな空き家が存在していると思います。
この日開催された空き家再生研修会は、空き家問題にガチで取り組んでいる3名が、行政、地域、ビジネスとそれぞれの視点から空き家再生の手法を伝授。
ビジネス視点では東京からカリアゲJAPAN 久保さんが。
3名の登壇者を中心に、参加者と共に議論する場になりました。
会場の雰囲気
18:00から開催されたガチで取り組む空き家再生研修会。
「空き家問題というと空き家を所有するオーナーさんが多いのかな?」と思いきや、会場には大学生、75才のおじいさん、彫刻家、行政の方々、不動産経営者など幅広い方々が。
指宿、さつま町、霧島、南大隅など、参加者の暮らすエリアもバラバラで、県内各地から100名以上が集まりました。
「空き家再生研修会」スタート!
【ファシリテーター紹介】
須部貴之
有限会社すべ産業 営業部長/騎射場のきさき市 代表1978年生まれ。明海大学 不動産学部不動産学科卒業(千葉県浦安市)。在学中ケンブリジッジ大学(短期留学)で都市計画論を学ぶ。ディズニー、ユニクロを経て、三井不動産グループへ入社。東京、福岡で11年勤務。
2013年6月、17年ぶりに鹿児島へUターン。人口減少問題や地域コミュニティ衰退などの社会課題に危機感を感じ地域活動に興味を持つ。現在は家業の不動産業をしながら「騎射場のきさき市」という約1万人が参加する地域イベントを主宰し、人のつながり・絆をコンセプトに地域で学ぶカレッジ形式の人財育成型の実行委員会を構築中。2018年4月騎射場中央通り会、鹿児島大学酒井研究室、騎射場のきさき市による「ガチな地域連携に関する協定書」を締結。
司会・ファシリテーターのすべさんから、研修会の趣旨を会場全体に共有。
・空き家再生の取り組みを知る
・協働関係の種を作る(仲間づくり)
そして、すべさんが活動拠点としている騎射場地区について。
アットホーム調べによると、騎射場には空き家が300室〜あるらしい。300室という数字は騎射場電停から半径500m以内のエリアのこと。
鹿児島市内全体だと、4,000室〜にも。
佐多で暮らしていると鹿児島市って都会だな〜と感じますが、けっこう空き家が多いんですね。
騎射場も鹿児島大学や県庁が近いこともあり賑やかなイメージでしたが、300室以上も空き家が。
空き家問題は社会課題である。がヒシヒシと伝わってきました。
参加者が期待することとは?
「反応3割増し、電話などはご自由に、時間配分は空気を読みつつ」とグランドルールを共有した後は
「近くの方と3人組のグループを作ってください」
研修会の趣旨の1つである仲間づくりのきっかけになるように会場の参加者同士で3人組のグループが作られました。
自己紹介と空き家再生研修会に期待することを話し、全体に共有です。
「今ある建物をどう保存し、活用していけばいいのか?」
「地域、ビジネス、行政などみんなで町づくりを考えるためにどう連携するか?」
「空洞化や空き店舗が目立つエリアで、何かやりたい!という若者はいるが中々家賃が下がらない」
それぞれが抱えている課題と会場全体でシェアすることで、研修会への期待感がグッと上がったように感じました。
会場全体の緊張がほぐれたところで、鹿児島市役所で勤務している森満さんの空き家再生について。
【行政視点】 鹿児島市役所 森満さん
森満 誠也 氏
1988年8月4日生。鹿児島大学工学部建築学科卒業後、鹿児島市役所に入庁。鹿児島市を一歩も出たことがありません。転機はリノベーションスクール@北九州の受講。
3泊4日に渡り、圧倒的な洗脳を受け、未だ解けない。リノベーションスクール後、空き家だった元実家のDIYリノベーションを決意し、仲間を巻き込んで実行。現在の自宅となる。また、鹿児島市名山町の空き家を13人の共同出資で借り、オーナーや地域住民、県内外の仲間を巻き込んで、DIYワークショップや朝café、野外映画祭等のイベントを行う。市役所内では『公民連携を推進しまくる会』を立ち上げ、民間事業者や学生と公務員が交わる場づくりに力を入れている。
登壇者1人め。
鹿児島市役所のみっちーさんこと、もりみつさんです。
キッズスペース設置はみっちーさんのアイデア。
彼自身パパでキッズスペースではみっちーさんのお子さんが遊んでいます!楽しそう☺️#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/QRAK7aB9Kl
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
まずは行政的な話ということで数字のお話し。
行政マンが普段どんな空き家を対象として動いているか、実際の写真を見ながら説明していきます。#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/rc7TUzryEd
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
行政の担当者が扱う空き家は、穴が空いて傾いて、いまにも壊れてしまうそうな物件がほとんど。
役所としては通行人や住民に危険が及ばないように、安全に整備することが重要とのこと。
「自分の息子が大人になる頃には30パーセント以上が空き家になっているかもしれない」
「空き家そのものは問題ではなく、手入れをされず放置されている状況が問題」
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
「危険な空き家になる前にいかに市場に引っ張り出すから」
「古いのがいい!という若者がいる。そこを消費者(家主さんなど)にわかってもらう必要がある」
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
ここからはみっちーさん本人。行政マンではなく一鹿児島県民として。
「空き家使って大人の遊びみたいなのできないかな?」
「空き家を見つけてから借りるまでをやってみる」
みっちーさんはリノベスクール参加者(運営側)です🙋🏻♀️
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
リノベスクールの時に運営として参加した(議事録係)時に「うおー!俺たちもなんかしたいぞ」と燃えた。
するととある日、ランチのために名山町に行ったら空き家のチラシが貼られてた!
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
チラシを見てから仲間に伝え、すぐグループを作った。
大家さん(75才)に家の中を見せてもらった。その時の感想「かわいい!」
天文館にある大家さん家で1時間ほどお茶する仲に。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
みっちーさんの思いを話したらなんと家賃が3万→2万5千円に。
チラシ見つけて1日半で契約。
現在13人で借りてる。1人3000円でも光熱費込みでもお釣りがくる。
今は一つの通帳にそれぞれ振り込み、そこから大家さんが家賃を引き落としている。
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
リノベは大学生や若者が中心に。
お金がないので、道具はハンズマンで調達。
素人塗りできれいではない。でもひとつのペンキのはねが「あ、ここあいつが塗ったよな」と思い出になっている。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
13人借りているうち、ほとんどは県外在住。
平日はほとんど使わない家に。
そこで鹿児島在住のみっちーさんが「俺がなんかやらなきゃ」とコーヒー屋さんをすることに。
すると新聞記者さんが通ってくれてるように。丁寧に取材、記事にしてくれた。
そこが転換点
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
記事をきっかけにいろんな人が来てくれるように。
コーヒー屋さんは金曜日の朝1時間オープン。
朝活としてさまざまな人が訪れる。
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
「しかし、僕は公務員」
ということで物々交換のシステムを取り入れた。
「コーヒーを1杯提供したらパンを買ってきてくれたり、おにぎりを持ってきてくれたりする人が出てきた」
中には音楽会のチケットを持ってくる人も。人が集まる。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
「なんだかんだ人間関係だなと思いました」
大家さんが屋根の防水(約30万)を勝手にしてくれたり、水やりをしてくれたり。
「エアコンをつけたいんですけど…」とお菓子を持ってオーナーさんのところに遊びに行ったら「つけるよ!」と。
丁寧な付き合い大事。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
高校の先生、地域おこし協力隊、行政マン、フリーランス、会社員、NPO関係者。
いろんな人が集まり、いろんな会話が起こっている。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
みっちーさん終了!
会場では、参加者同士のグループで共有に入ります!
5分ほど!
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
みっちーさんのコーヒー屋さんの名前は「バカンス」です。
会場内にはバカンスに行ったことがある人も…!(けっこういた)
#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/40BLbYvy5e
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
すべさん「僕もびっくりした。行政の人が借りるんだ!」
みっちーさん「物々交換が成り立つのは鹿児島市ならではだなと。」
バカンスを始めてからは半年ぐらい。
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
みっちーさん「カフェやってる人ですよね?」って言われるようになった。
厳密に見るとグレーなところもあるらしい。と記事を見た行政の人に教えてもらったり。
記事にしてもらって情報が入るようになった。記事にしてもらってよかった。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
コーヒー豆は桜島で作られたもの。
地域内で経済を回す。としてけっこうまじめに考えている。
とはいえ撤退しやすいのも大事。
「やめよう」と決められる環境作りも必要。だから数人で低コストで。
工夫次第だな〜。— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
仕事としての空き家問題との向き合い方と、一個人としての空き家再生方法について聞けたのがとてもよかった。
参加者からの「県内の他の地域でバカンスのような活動をする時、オーナーさんとどう繋がったらいいのか?」という質問には
「オーナーさんにとってコミュニケーションの仕方は変えたほうがいいかも。誰かに間に入ってもらうとか、丁寧に段階を踏んだり、思いを伝えたり」
「オーナーさんが安心できるような関係づくりって何だろう?と考えることも必要」
公務員という肩書きが活かせる場面も多いらしく「理想としては公務員と地域がもっとゆるやかに繋がれたら」と話していました。
【地域視点】 NPO法人頴娃おこそ会 加藤さん
加藤 潤 氏
1968 年 6 月 7 日生。埼玉県出身。青山学院大学経営学部卒業後、モービル石油(株)、住友林業 (株)などに勤務し、多くの海外出張も経験。その後実弟が鹿児島で立ち上げたタツノオトシゴ養殖事業に携わるため 2010 年に南九州市頴娃町へ移住し、観光養殖場「タツノオトシゴハウス」を立ち上げた。
観光地では なかった頴娃においては、業種や組織、官民の枠を超えた地域総力戦のまちおこし活動が不可欠と考え、NPO を通じて農家や商店主など観光業者ではない地域メンバーを巻き込んだ地域活動を展開。これまで町外来訪者がまばらだった釜蓋神 社が年間 15 万人の来訪者を迎えるスポットに育つなど、観光を活かした地域づくりに貢献している。 昨今は、空き家再生、商店街 活性化、移住者受け入れなどまちづくり分野の活動にも力を入れている。
頴娃おこそ会 じゅんさん始まりました!
NPOとして7軒、空き家再生。
地域とベタベタ。深く付き合ってます。
#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/sUB1tw4oQ2
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
カリアゲ 久保さんとの繋がりは東京でのイベント。
頴娃での事例を東京で話してきた。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
空き家再生にいたる経緯などについて。
じゅんさんは弟が始めたタツノオトシゴハウス(頴娃にあります)の運営もしています。
じゅんさんは埼玉県から鹿児島へ移住したIターン。家族で移住されてます。
お子さんは高校生です。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
じゅんさんが移住した時には、若者、移住者を応援する団体があった。
ひっこした庭を見て「草刈りしようか!」と声をかけてくれたり。
じゅんさんの趣味はDIY。
趣味がこうじて移住前は住友林業など、さまざまな企業で働いていました。— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
移住した頴娃は観光体制が整えられてなかった。
公園内に民間の力で鐘を建てたら、行政が景観整備事業を実施して立派な広場が出来た。
今はイベントをするとけっこう人が来てくれるように。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
タツノオトシゴハウス
番所鼻公園
釜蓋神社頴娃の観光名所となり得る場所を模索し町のお茶農家の方の方と力を合わせて協力して整えて行った。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
「町づくりもDIY精神だなと思います」
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
公園にちょっと変わったベンチやフォトスポットを行政が作ってくれるように。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
頴娃の石垣地区。
昔は商店街として栄えていたが…。シンボルだった建物は取り壊された。
頴娃おこそ会の空き家再生は苦い思い出から始まっている。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
頴娃町は大学がない町。
空き家再生のためのDIYで学生が活動していると町の人は喜んで大量の差し入れをくれるように。
0軒目は苦い思い出。
しかし、1軒目はなんとか再生できた。
それが「しおや、」今はさまざまなイベントや勉強会が開催されるように。
#ガチで取り組む空き家再生研修会— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
空き家再生2軒目は、ちかさん。
一人暮らしには広い一軒家だったので民宿を始めることに。
移住から民宿スタートまでは約1年。
行政事業として起業を目標。見事オープンさせたのです〜!
(地域おこし協力隊の先駆け…ですかね?)
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
頴娃は不動産屋さんが機能していない。
おこそ会がその役割を担うように。空き家再生で培ったノウハウと関係性が生きている。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
頴娃おこそ会は現在、地域おこし協力隊を受け入れている。
協力隊の1人は結婚し、子どもも産まれた。
最初はお試し住宅として空き家で暮らしていたが結婚を機にひっこし。
この家は来訪者のたまり場になったので改装してゲストハウスにした。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
トイレなど、できるところはDIYで改修。
そうこうしていると、ちかさんが民宿をしていた家が契約満了。
ということで再び空き家を探し、改修。
今では一棟貸しの宿「福のや、」として運営。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
改修前、改修作業、改修後。
「オーナーさんは田舎なので誰が来るのか気になる」
改修作業も大事だが、改修前の関係構築、改修後のやりとりも大事。
頴娃では改修後、オーナーさんを招待し食事を共にすることも。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
「僕らは地域と一緒に空き家を改修している」
福のや、改修後の取材のようすを映像で。
オーナーさんや町の人を招いて懇親会。中には感動して涙ぐむ町の人も。
町の人「壊すのは簡単。こうして生まれ変わったことが嬉しい」
ちかさん「頴娃で働き続けたい」
#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/eIxktncwpe
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
行政の補助金ももらっているが、今後はビジネスの視点も大事。
これからは補助金だけに頼るのではなく自活できる仕組みも作っていく。
頴娃では、NPO法人 頴娃おこそ会から派生した「株式会社 オコソコ」が動いています。
代表は地域おこし協力隊。
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
じゅんさん終了!
グループごとの共有に入りました!
#ガチで取り組む空き家再生研修会 pic.twitter.com/7cT3aC6t9i
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月4日
鹿児島県内で町づくりに関わっていたら必ず耳にする、頴娃。
わたし自身学生時代から何度も通っていますが、Wi-Fiが繋がったり、駐車場が整備されたりと行く度に進化しています。
「活動で得られた成果は?」という目に見えない価値が評価されやすい町づくりに置いて、難しい質問のように聞こえましたが
「地域おこし協力隊として来てくれた移住者が3年後も暮らし続けられるような、移住者を受け入れられる基盤ができてきた」とじゅんさん。
「とはいえ、移住者だけで盛り上がると町の人は冷めてしまう。移住者と町の人がいっしょに楽しめるような工夫は必要」とも話していました。
わいわい賑やかに、あえて手間をかけることも大事ですよね。
【ビジネス視点】カリアゲJAPAN 久保さん
久保 暁育(くぼ さとる) 氏
株式会社あきやカンパニー 代表取締役
1980年生まれ/東京都世田谷区出身/東京都調布市在住大学卒業後、家具小売業に勤務。
その後タイ、台湾一人旅を経て沖縄に辿り着き、地域人脈を築く。帰京後、不動産仲介・買取会社、サブリース・管理会社を経て、2017年にカリアゲJAPANに参画。翌2018年2月より代表取締役就任。2017年12月よりカリアゲ全国ネットワーク拡大活動を展開し、2018年8月現在11拠点に拡大。全国各地の空き家オーナーのコンサルティングを行い、各地のパートナーと連携し空き家解決に取り組んでいる。
カリアゲJAPAN 久保さんの自己紹介。
「僕はここをかりあげてます」 pic.twitter.com/8jP5tiOvZ6
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
東京出身の久保さんですが、小学校と高校が閉校。
東京って人がいっぱいで閉校とは無縁だと思っていたので、驚きました。
人は増えていても子どもが減っているのが現状らしい。
新卒で3年勤めた会社を退職後、海外へ。そこで地域コミュニティや地域経済に触れます。
その頃交流があったゲストハウスオーナーとの会話をきっかけに地域経済の重要性に気づき、不動産仲介・買取会社へ。
(地獄のようだったらしい・・)
2017年からカリアゲJAPANに参画。
2018年の2月からカリアゲJAPANを運営する、株式会社 あきやカンパニーの代表取締役に就任しました。
空き家はなぜ増えるのか?
日本全国に存在している空き家ですが東京で調査した結果、意外と空き家の持ち主(オーナー)は金銭的には困っていないらしい。
それよりも「家族の思い出がある家はしばらくそのままにしておきたい」と心情面の問題の方が大きかった。
また、金利の安さや文化的な面で新築志向や持ち家志向がまだまだ強く、マイホームを建てる人も多いんだとか。
そして人口減少。一人っ子同士が夫婦になった場合、2軒の家が余る。
わたしも一人っ子。確かに今の彼と結婚したら実家が余ります。
いつかはコミュニティスペースとして使いたいけどそのいつかは不透明だし、将来どこで暮らしているかもわからないな〜。
さまざまな要因で全国で空き家が増えている現在。
カリアゲは独自の仕組みで空き家問題を解決へ導いています。
カリアゲとは?
カリアゲとは空室のままになっている築30年以上の物件を借り上げ改修した上で6年間サブリースし、オーナーに固定家賃を支払うサービスのこと。
簡単にいうと築30年以上の空き家を借主負担で改修し、借主が6年間運用する仕組み。
(サブリースとは、転貸を目的としたもの)
通常のサブリースはオーナーがリスクを取ることが多いけど、カリアゲの場合はオーナーのリスクが少ないことが特徴。
・現状のままでOK
・固定家賃収入を得られる
・木造アパート、マンション、戸建てあらゆる建物に対応
・カリアゲ終了 7年め以降の使い方は自由
なぜ通常の仕組みと違うのかというと
カリアゲは収益化を目的とした仕組みではなく、マイナスをゼロに。ゼロを少しでもプラスにするような救済措置だから。
全国10か所に存在しているカリアゲパートナーと共に、全国の空き家問題と向き合っています。
九州では、熊本と福岡。沖縄も現在準備中。
各地の空き家再生の事例
現在全国でさまざまな空き家再生の事例が出てきています。
石川県のカリアゲ金沢ではそば屋×リノベーションショールーム×設計事務所と、自宅の相談ができるサロンの役割を果たすそば屋なんてのも生まれているらしい。
空き家を改修する上で大事なのは、リノベーションしてきれいにすることではなく、建物に役割を持たせること。
リノベーションしても住む人がいなかったら? せっかくの改修が無駄になってしまいますよね。
そこで次なる空き家の使い方として、改修コストを抑えて活用する 非居住型の使い方が重要になってくるらしい。
次なる空き家の使い方とは?
空き家を改修してから使い方を考えるのではなく、空き家を活用すると決めた段階で関係者を増やし、空き家の使い方を考え、オーナーまでも巻き込むのが次なる空き家の使い方です。
この方法だとさまざまなメリットが生まれます。
改修前に空き家に対するニーズをつかめるので的外れな改修にならず、誰かが使うための役割を持った建物を作ることができる。
そして活用の段階で関係者が増えることで「改修費を出すから、いっしょに使いたい!」と思い入れを持ったファンが先に着く。
すると空き家の改修費を広く募ることができ、費用削減に繋がります。
現在久保さんが暮らしている、東京都調布市では空き家をスナックする会 オンラインサロンというFacebookグループができあがっているそうです。
(研修会終了後、申請して仲間に入れてもらったところ200名以上参加していました・・!)
今後は「人循環型」が大事になってくる
ローカルに興味を持つ、都市部の人にはたらきかけ、拠点の1つとして空き家を使ってもらう取り組みが今度大事になっていきます。
ローカルに興味を持つ人は多い。でも仕事や暮らし、全てを捨てて移住するのは中々ハードルが高い。
そこで1人の人間がぐるぐると全国を移動するような、人口が減少していく社会で人が循環する仕組みが求められています。
カリアゲでは
「改修したはいいけど借りる人が見つからない」というリスクを避けるために借りる人に合わせて家賃を変える空き家マッチングを行っています。
「現状のままで借りたい」「水回りだけ交換したい」「完全にリノベーションが済んだ物件がいい」などの希望に合わせて家賃を変えるシステムです。
借りる人が決まってから工事するので、的外れな改修にならずにいいですよね。
自分でスキルがある人は、自分でリノベーションした方が安く済むこともあるだろうし。
カリアゲJAPANの役割
カリアゲJAPANは、商標登録済み。
空き家問題は人が関わるのでデリケートな場面も多い。ブランド力は大事です。
カリアゲJAPANは
「空き家コンサル・コーディネイト」「WEBメディア」「カリアゲ全国ネットワーク」とさまざまなアプローチで空き家問題と日々向き合っています。
今年の6/3には第一回カリアゲサミットを開催し、45名が参加。各パートナーとの関係構築を図りました。
「カリアゲチームはアイデアを出しながら日々楽しんでいます」
「ご興味ある方はぜひ一緒に」
カリアゲJAPAN 久保さんでした。
「やっぱり人。人ありきでコミュニティなど色々変わっていく」
1つの場所に停滞するのはいい面もあるけれど、新しいことが止まってしまうこともある。
多拠点暮らしをしている人を見ていると、バランス感覚がいいなと思うことが多い。
カリアゲJAPAN 久保さん。
初めて聞く内容だったけど、大事にしている部分や描く未来は鹿児島で活動している方々と近いような気がしました。
「カリアゲ鹿児島、立ち上がらないかな〜!」とiPhoneを握る手に汗が滲みました。
空き家再生研修会 無事終了!
【行政視点】みっちーさんの挨拶です。 pic.twitter.com/4jxx5YRaWR
— かざり👩🏻💻本土最南端ブロガ〜 (@kazali0617) 2018年9月6日
行政、地域、ビジネスと3視点で空き家再生について、充実の2時間半でした。
3名それぞれが実際の経験をもとにお話されているので
「や〜うちの地域では無理だよ」
「いや、でも実際にやっている人がいるからできるかも!」と勇気づけられた参加者も多かったと思います。
100名以上の参加者が、それぞれの暮らしの中で。
少しずついい方向に進めたらいいのかなと感じました。
さいごに
鹿児島市から本土最南端の佐多へ移住すると決まった時、はじめは町営住宅(アパート)で暮らすつもりでした。
しかし「せっかくローカルに移住するなら一軒家がいいよね」と彼が空き家バンクで見つけてくれたのが今の家です。
空き家問題を解決したいと言っても、何を持って解決とするかは人それぞれだし、複雑で難しい課題が山盛りです。
だけど自分と相性のいい、住みやすい、使いやすい空き家が見つかった時、そこを有効活用できた時ってけっこう嬉しいんですよね。
都市部のきれいなマンションももちろんいい。玄関のカギを閉めればひとまず安心だし、掃除機だってかけやすい。
でも自分で暮らしを作るということがこんなに楽しいとは思わなかった。
これは空き家を見つけて、暮らしを作った経験があるから気づいたこと。
少しずつそれぞれが抱える空き家問題が楽しく解決に向かえばいいなと思いました。
空き家に関する課題解決のヒントばかりだった2時間半を残しておきたくて
以上、ガチで取り組む空き家再生研修会参加レポートでした!
ごあんない