先週の土曜日(2/24)に開催された、南大隅町の地域おこし協力隊 活動報告会に参加した。

南大隅町は、本土最南端の地域である。

佐多岬(さたみさき)と言われたら「ああ、聞いたことはある」という人も多いだろう。

 

土曜日の報告会も、佐多伊座敷(いざしき)という場所で開催された。

鹿児島市からだと陸路(高速なし)で3時間で到着。

(フェリーや高速を使えばもっと早く行ける)

 

「鹿児島空港から東京に行くよりも時間がかかる南大隅へ、わざわざなぜ?」という疑問に対しては、今ハッキリと答えるのは少々駆け足すぎるので、とある事情から南大隅町の地域おこし協力隊がどんな活動をしているのかを知りたくなったから。

と答えておこう。

 

会場は、南大隅佐多の山村交流施設。

昔は学校だったらしい。

今でも自衛隊が宿泊に使うらしく、清潔感がある建物だった。

 

予定時刻より少し遅れて入った室内では、ちょうど円美(まどみ)さんの発表が始まるタイミングだった。

「玉ねぎの皮を集めています!」から始まった活動報告は、南大隅で過ごした彼女の言葉が素直に表現されていて、なんだか泣きそうになってしまった。

 

南大隅の方といっしょに田植えをして田んぼを管理し、お米を作ったこと。

新米ができた時は、感動して泣いたこと。

 

そもそも南大隅町で地域おこし協力隊になる前に、南大隅の農家9件で民泊をして心を決めたこと。

来年度は寺子屋を始めたいと思っていて、他にも小さなやりたいことがたくさんあること。

 

どれもまどみさん本人が経験してその中から生まれた言葉だから、南大隅のことを何にも知らないわたしなのに、聞いていて目元が潤んだ。

「町の人とどんなことを話しているのか」「日々、どんな風に暮らしているのか」について、益々知りたくなった。

 

まどみさんとは学生時代に出会い、3年ほど仲良くしてもらっている。

会うたびにニコニコしていて、いつも明るい空気を纏っている大好きな先輩である。

去年のバレンタインデーに開催したわたしの初めてのブログイベント、かざりとゆるりと話す会にも参加してくれた。

まどみさん、めっちゃ好き。

 

報告会が終わった後に「市内にいる時より元気になったよ!」と話してくれたまどみさん。

「いつも明るい雰囲気の人だな。すてきだな。」と思っていたけど、きっと彼女なりに悩んだり苦しんだことがあったんだなあと。

でも、今住んでいる南大隅では元気に過ごしているようで、よかった。

色々大変なこともあるだろうけど、今のまどみさんはとても幸せそうに見えて、3時間かけて来た甲斐があったと心から思った。

 

参加させてもらった1時間ほどの懇親会では、町の人と話すことができた。

「今日はどちらから?」「まあ、遠路はるばるいらっしゃったのね」と話している中で、わたしが「あ、いいなこの町」と思った瞬間があった。

それは、町の人がいい意味で夢を見ていないこと。そして現実的であること。

「本土最南端のここは、いろんな場所から流れながれてたどり着くところ。だからここだけで観光を活性化するのは無理。他の自治体と協力してやっていくのが大事」

うちの地域にはこれがあるから絶対に人を呼べる!と盲目的で闇雲に活動するよりよっぽどいい。

自分の町をシビアに見ることは、町づくり、地域おこしにおいて必須だと思う。

だから、その言葉は個人的に最高だった。

話を聞きながら、心の中でそっと拍手を送っていた。

 

そんな話をしつつ、懇親会の最後には民謡を歌ってくれた。

唄の内容はよくわからなかったけど、歓迎されているような気がして聴けてよかった。嬉しかった。

 

 

初めて参加した、地域おこし協力隊の活動報告会。

他の地域の活動報告も聞きたくなった。

 

そして、次に南大隅を訪れる時は町をドライブしたり、雄川の滝に行こうと思う。

まだ行ったことのない、本土最南端の佐多岬にも行かなくては。

 

 

 

一部写真 有木円美