3月に書いた恋愛論が好評だったので、本日もこれまでの経験を元に生まれた持論を展開していきます。
テーマは「家事分担」です。
一人の人と長く付き合っていると、色々と思うところが出てきます。
デートをしている時に「歩くのが早いな」「スマホばかり見てるな」と口に出すほどではないけど、ふっと自分の心に影がさす瞬間、思い当たる人も多いのではないでしょうか。
同棲をはじめると、この”思うところ”は、どんどんどんどん増えていきます。
特に、家事。
「ご飯をつくるのもわたしで、皿を洗うのもわたしなの?」
「靴下を床に放置するな」
「トイレ掃除、ずっとわたしのターンだな……」 など、挙げればキリがないです。
この時、相手に対するアプローチは人によって様々です。
また、自分の体調や機嫌、その時の二人の関係性によってもかなり変化します。
ラブラブな時は「も〜♡」ぐらいで済むけれど、付き合っている期間がある程度長くなると、不満をそのままぶつけてしまう時もあります。
わたしの場合、同棲をはじめた頃は自分の機嫌によって態度が変わることが多く、元気な時であれば「今はわたしがやるけど、次はやってね」と穏便に伝えられることもありました。
しかし、疲れている時や生理前は「何度言ったらわかるの?」「わたしの話聞いてないよね?」と、鬼の形相で喉元に短剣を突きつけることもありました。(比喩ですよ)
彼と比べて、わたしの家事負担が大きいことが腹立たしくて「改善してくれないなら、別れます」とハッキリ伝えたことも、一度や二度じゃないです。
そこで彼が「わかった。別れよう」と答えていたら、とうの昔にわたし達の関係は終わっていました。
でも、彼の口から出てきた言葉はいつも「次、がんばるから」
人間というものは、長いこと付き合っていると情が湧いてきてしまうもので、そんな彼に対してわたしは「わかった。次はよろしくね」と返して、なんだかんだ今年で付き合って10年。結婚して2年です。
「もう無理。本当に別れたい」「ごめん。次がんばるから」
「次って具体的にいつのことですか?」「ごめん。少しずつ覚えるから」
「謝っても家事は進まないんだよ……!」
怒りが頭のてっぺんまで達した時は、ガラスのコップを割ったり、家を飛び出したり。
中々激しいやり取りですが(20代はじめのわたしって元気だったな〜)と、今は良い思い出です。
若い頃に散々やりあったかいもあり、30歳を超えた現在、わたし達の夫婦関係はかなり良好です。
「次、がんばるから」という言葉でバッドエンドを回避し続けた彼は、その言葉通り、少しずつですが着実に家事を覚えていきました。
時間は年単位でかかりましたが、今では家事の半分をお任せしています。
それどころか「シンクにお皿を入れる時は水につけてね」「靴下がまたベッドに放置されてたよ」と家事の改善まで促してきます。
昨日の夜は、仕事で遅くなったわたしのために、美味しいオムライスと野菜スープまでつくってくれていました……。
もう、感動です。すばらしい成長です。
暮らしの中で「ありがとう」を伝える機会が増えて、「ありがとう」と言われる回数も増えました。
ここまで変化した理由としては「なんだかんだいってお互いに相手のことが好きだった」はかなり大きいと思います。
二人が一緒に居続けるために家事の分担は避けられなかったので、時間はかかったけれど、お互いに諦めずにがんばってきた……が大きな成果につながったと思います。
とはいえ、いくつか重要なポイントもありました。
1つ目は「相手の能力値を把握した上で指示を出す」です。
わたし達の場合は、同棲がはじまった時点で、家事の経験値が桁違いでした。
一人暮らし歴5年のわたしと、ずっと実家暮らしだった彼では、そもそも家事に対する認識が違います。
はじめの頃はわたしがここを理解していなくて、彼が家事をしないのは単純に気持ちの問題だと思っていたんですよね……。
つまり、サボっていると思っていました。
ところが、実際は「家事に気づく目」を持っているか、いないかの違いだったのです。
今は訓練と経験によって目が肥えたので、彼自身、家事の改善にまで意識が向くようになったのだと思います。
2つ目は「指示と感情をごっちゃにしない」です。
1つ目のポイントが理解できるように前は、彼に対して頭ごなしに怒ってしまい、ケンカになることも多かったです。
二人が居心地良く過ごすためにやっていることなのに、そのせいで関係性が悪くなったら本末転倒ですよね。
でも、1つ目のポイントが自分の中で腹落ちしてからは、彼が家事をしないのは「家の中にどんな家事があるのか」「それに対してどういう行動が必要か」が見えていないだけだと理解できたので、感情的に怒ることは少なくなりました。
彼も鬼の形相のわたしから雑に教わるよりも、聖母マリアのような表情のわたしから教わるほうが安心できたのか、ひとつずつ教える度にちゃんと覚えてくれました。
まあ、生まれも育ちも違う二人の人間が、ひとつの家で過ごすとうまくいかないことも多いです。
でも、二人の間に確かめ合える愛があるのなら、ご紹介した2つのポイントを元にアプローチしてみるのも悪くはないと思います。
世の中に幸せなカップルや夫婦が増えることで、きっとこの世界はもっとハッピーになると考えているので、今後もいろいろとお伝えしていきます。